白内障の手術は、視力の低下、視界全体がかすむなどの症状があり以前と見え方が変わってきたと感じられた場合に行います。白内障と診断されても、視力がよい方や、ご本人が全く気にならない場合には手術をすぐにする必要はありません。しかし、視力が良い場合でもまぶしさが強く気になる方は早期に手術を行います。
白内障手術
Medical
白内障手術
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白内障の手術とは濁ってしまった水晶体(白内障)を取り除き、水晶体の代わりとなる人工レンズ(眼内レンズ)に入れ替える手術です。
白内障の手術は、視力の低下、視界全体がかすむなどの症状があり以前と見え方が変わってきたと感じられた場合に行います。白内障と診断されても、視力がよい方や、ご本人が全く気にならない場合には手術をすぐにする必要はありません。しかし、視力が良い場合でもまぶしさが強く気になる方は早期に手術を行います。
白内障の手術を受ける前には眼の詳しい検査を行います。白内障の詳しい状態を把握し白内障以外の病気が隠れていないか、手術に耐えられる眼をしているかなどを調べます。
また、眼内レンズの度数を測定する検査などもあります。
手術日の3日前から抗菌薬の目薬をお家でつけてきていただきます。これは手術時の合併症の一つである術後眼内炎(傷口からばい菌が入ってしまう感染症)を予防するためです。
手術当日は瞳を広げる目薬を手術前からつけていただき来院していただきます。
来院いただいた後、お着替えをいただき手術室に入室していただきます。
入室後心電図、血圧計、血液中の酸素の量を調べる器械などをつけ、眼の消毒をし、清潔なドレープといわれる布をお顔の上にかけます。
手術が終わると手術をした方の眼には眼帯をします。片眼に眼帯をすると遠近感がなくなり階段や段差が危険なので歩く時には十分に注意していただく必要があります。
手術の翌日にご来院いただき、眼帯をとって診察をします。その後は、保護眼帯をご使用いただきます。術後に眼を強くこすったり、ぶつけたりしないようにご注意いただき、点眼薬を開始していただきます。術後健診で経過を注意深く観察していきます。術後の生活の注意事項や術後健診の日程などは適宜お伝えいたします。
基本的に点眼薬の麻酔薬をつけるだけで手術中に痛みを感じることはほとんどありません。
痛みが強い場合などに、注射の麻酔を併用することもありますが、ほとんどの方は点眼薬の麻酔だけで手術することが可能です。
白内障手術は、濁ってしまった水晶体を取り除き、水晶体の代わりとなる人工のレンズ(眼内レンズ)に置き換える手術になります。水晶体は袋(嚢)に包まれた状態で眼の中にあります。眼の一部を約2.4mm切開し、袋(前嚢)に小さな穴を開け、その穴から超音波の機械を用いて水晶体の中身を砕いて吸引します。それから、袋(嚢)の中に眼内レンズを入れます。
嚢は、1ミクロンほどの細い糸で眼の中に釣り下がっています。しかし、その糸の数が少ない方や弱くてすぐにちぎれてしまう方もいらっしゃいます。また、嚢の厚さは0.2ミクロンほどで大変に薄くもろいので手術操作に耐えられずに破れてしまう場合もあります。そのような場合には、嚢の中に眼内レンズを入れることができませんので、特殊な方法で眼内レンズを眼の中に固定します。当院では瞳が広がりにくい方や水晶体をささえる糸が弱い方など、難症例にも対応しています。
眼球を切開し、水晶体の前嚢を切り取る
水晶体の核と皮質を超音波で砕き、吸引して取り出す。後嚢とチン小帯は残す。
残った後嚢の中に、眼内レンズを挿入する。
術後にどのような見え方をご希望されるかによって使用する眼内レンズが変わってきます。
読書や手芸、新聞を読むなど近い距離をはっきり見たいというご希望の方には近くが見やすい眼内レンズを使用します。近いものがはっきりと見える代わりに、遠くのものがぼやけて見えてしまうので、遠くを見るための眼鏡が必要になります。運転をされる方や、離れたい位置にあるテレビなど、遠くの物をはっきりと見たいというご希望の方には遠くが見やすい眼内レンズを使用します。遠くのものがはっきりと見える代わりに、近くの物がぼやけて見えてしまうため、近くを見るための眼鏡(老眼鏡)が必要になります。いずれの場合でも術後の眼鏡使用が必要となります。術後約1~2か月で眼鏡を処方することが可能になります。
一度眼内に入れたレンズは原則的に入れ替えることはありません。その為、どのような見え方を希望されるかをご相談させていただき、使用する眼内レンズを決定します。